何もしないのがオーガニックと言われた日本式オーガニックを大きく変えたオーガニック120
1999年3月20日にオーガニック120は反応染料で染色したオーガニックタオルとして誕生した。今から25年前である。当時は何もしないのがオーガニックと言われた時代で生成りのままで販売されるのが常識であった。タオルは水を吸うことが仕事であるにもかかわらず、それを犠牲にしてまでも何もしないことを優先する時代であった。世界で最初にオーガニックコットンを商品化したと言われるデンマークのノボテックス社の故ノルガード社長が突然、染色工場を見せて欲しいと連絡があったのは1996年のことである。彼はオーガニック商品開発の最初から人にとって色は最重要であるので染色は当然であり、加えて、コットンが持つ肌触りと吸水性は犠牲にしてはいけないという観点から安全で環境負荷の少ない染色手法のローインパクトダイを提唱していた。彼の教えをもとに誕生したオーガニックタオルが池内タオルであり、風で織るタオルであり、IKEUCHI ORGANIC となっていきます。
ローインパクトダイの最大の肝は廃水設備
池内のような環境意識の低い経営者が我々のデータを上回る染色工場を有しているのは宝の持ち腐れだと散々嫌味を言われたが、何故か気があって、翌年から毎年、来日するたびに会う酒飲み友達となった。彼から、間も無くリリースされるISO14001で基本から勉強すればと助言され1998年12月に業界初で取得した。これを受けてローインパクトダイのノーハウを気持ちよく伝授されオーガニック120が誕生したのです。染料から助剤に至るまでの全染色原料を安全性を最優先で選別するノーハウを提供してもらった。2001年にはオーガニック120は繊維の安全性テストでは世界で最も厳しく信頼性が高いと言われるスイスのエコテックスstandard100class1をクリアした日本で初めてのタオルと品質を高め、現時点ではほぼ全てのオーガニックタオルが、赤ちゃんが口に含んでも可のclass1認定を得ています。インターワークスの巨大な廃水処理設備はは公式水泳プールに迫る大きさで地下5M、地上5Mの巨大な水槽で、ひたすら、バクテリアの力で廃水を浄化しています。通常は12PPM(100万分の12)以下で放水されており、この排水口の河口は透明になる程です。この廃水設備があって初めてローインパクトダイと言えるのです。後日2001年にデンマークに訪問し見学したノボテックス社の染色工場は廃水処理COD30PPM以下のデータは凄いが驚くほどでもなかったが、その工場はまるで公園かと思わせる芝生に囲まれ、廃水に含まれる綿カスまでもストーブの着火剤にして再利用するという環境意識の徹底ぶりには頭を下げるしかなかった。かたや弊社の属するYグループ協同組合のインターワークスは綺麗ではあるが、純然たる工場である。ただ、環境保全のために新規廃水設備に課せられる世界で最も厳しい環境規制の一つ瀬戸内海アセスメントをクリアする目的だけでCOD15PPMを実現していた。
厳選された反応染料の採用は現時点では最良の選択
タオルは毎日洗濯されるものであり、長期に安定して使用出来るとなると現時点では安全な反応染料や助剤を選別し、充分に管理して使うことが望ましいと判断しています。近未来にはオーガニック植物からの染料とサプリメントレベルの助剤だけであらゆる色が染色出来る日が来れば、私達の目指す”2073年までには赤ちゃんが食べられるタオルをつくる”という目標が達成されると信じています。2024年時点ではローインパクトダイが最善で最良の染色と考えています。
昔々、イケウチ式オーガニックは後ろ指を刺されていた?
今では笑い話ですが、21世紀初期の頃はイケウチのタオルは染めているからオーガニックでないと業界から言われたものです。代表がとんがっていた50代の頃ですのでオーガニック120のベージュには”これは生成りではありません、染色しています”と断り書きを堂々と表示し、明確な保守的オーガニックとの違いを鮮明にしていました。こういう時代ですので理解者を増やしていくのは大変で、オーガニック120の発表後はタオルの話を聞いてくれる方が5人いればどこでも行きますと公言して年18回くらいのベースでイケウチ式オーガニックの辻説法を全国で続けてきましたので、今年で450回くらいはしているのかもしれない。この頃のスピーチでは”後ろ指さされている池内です”が前口上でしたが今ではオーガニックタオルに何故色をつけているんですかという質問もほぼなくなりました。世の概念を変えるには時間がかかります。2000年からはアメリカにも販売拠点を設けましたが、海外ではオーガニックに色が付いているのが当然で何の抵抗もなくオーガニック商品として説明ができましたので海外の方が滑り出しは順調で2002年にNYでグランプリを受賞した頃から国内でも理解者が増え、現在の IKEUCHI ORGANIC のフアンの基礎ができ始めました。
PS なぜ IKEUCHI ORGANIC は今治タオルネームを外しているのか!
世界一のタオル産地今治の池内タオルとして海外展開を始め、メーカーブランドの先鞭をつけた1社と自負しています。そして、メーカーブランドを立ち上げた8年後の2007年に今治タオルブランドが発足し、当時は今治タオルのネームタグを併用しておりました。2014年3月1日に池内タオルから IKEUCHI ORGANIC と社名変更した段階でネームタグもオーガニックに替えポリエステルの今治タオル認定ネームの使用は断念しましたが、当初2年程度は今治タオルの紙タグだけはつけておりました。その後、今治タオルの規定変更があり、紙タグだけの使用も不可となり、I ネームだけで現在に至っています。今治タオル79社の1社であリますので、今治タオルのブランドマニュアルが改善されオーガニック素材でのネームタグが使用可能になる日を願っておりますます。今治タオルブランドマニュアルには今治タオルは産地ブランドであり、メーカーブランドではないと規定されていますので79通りの柔軟性を見つけて欲しいものです。
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by keishi_ikeuchi
| 2024-03-28 13:59
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